爪が少しでも伸びると我慢できず、ついつい短く切って深爪になってしまう。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
深爪を繰り返していると爪が短くなるので見た目が悪くなってしまうだけでなく、健康にも問題を生じる場合があります。今回は、深爪のせいで起こるトラブルや深爪を治す方法、深爪にならないための爪切りの方法などについてご説明します。
【深爪が引き起こすトラブル】
爪には先端の白い部分とピンクの部分があります。このピンクの部分まで切ってしまい、ピンク色の爪の下にあるネイルベッド(爪床)を露出させてしまうのが深爪です。
指先には毛細血管や神経が集中しています。爪はそれを守る役割をしていますが、深爪しすぎてネイルベッドがさらされていると機能や健康に問題が生じます。
まず、爪が短すぎるため、指先に力を入れにくくなります。指先で物をうまくつかめない、力が入らない、細かい作業がしづらいなど指先の機能が低下します。
さらに、深爪をすると指先から菌が入る恐れがあり、化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)という病気になるリスクが高くなります。また、爪が短いことで周囲の皮膚に食い込んだり、巻き爪になったりします。
爪の周辺やキューティクル(甘皮)が乾燥して皮がむけ、爪のまわりがボロボロになってしまいます。それだけでなく、深爪になっている期間が長くなると、爪の形が変形していってしまいます。
爪が変形し小さくなってしまうと炎症を起こしたり化膿したりすることもあります。そうなると医療機関での治療が必要となり、症状が悪化した場合は今ある爪を除去しなくてはならず、激しい痛みが生じることもあります。
深爪が与える影響は肉体的なものばかりではありません。爪が短く形が悪いことがコンプレックスになり、人前で手を出せなくなる人もいらっしゃいます。いつも手を握りできるだけ爪を見られないようにしてしまうなど、常に劣等感にさいなまれ自分に自信が持てなくなります。
見た目、機能、心身の健康といった面から見ても爪には適度な長さが必要です。深爪の人はできるだけ早く修正し、適度な爪の長さをキープできるようにしましょう。
【深爪を防止する爪切りのポイント】
爪切りの方法を変えることで、深爪になりにくくすることも可能です。
多くの人がクリップタイプの爪切りを使用していると思いますが、クリップタイプの爪切りは、丸くカーブしている爪を無理やり平たくして切るため、爪に強い負荷がかかります。ハサミやニッパータイプの爪切りのほうが爪にかかる負荷が少ないので、可能であればハサミタイプやニッパータイプの爪切りに交換しましょう。
爪を切る時は、1本の指の爪を数回に分けて少しずつ切り、一気に切らないようにしましょう。この時、爪の白い部分が1~2mm残るのがベストです。白い部分が少し残るように爪切りをしていくと、細長いきれいな形の爪に変わっていきます。
手の爪は丸い形に切ってもよいのですが、足の爪は先端がまっすぐになるように、平らに切るようにしましょう。足の爪の両サイドが短くなると、巻き爪や陥入爪になりやすくなります。
爪を切ったあとは、先端にやすりをかけてなめらかに整えます。爪切りについているやすりを使ってもいいのですが、爪切りによっては目が粗すぎて爪を削り過ぎてしまうことがあります。目の細かいやすりを使うと、削り具合を自分で調整しやすいのでおすすめです。
こまめにケアできる人は、爪切りは使わずに数日おきにやすりで先端を削って整えるという方法でも良いです。やすりを使う時も、爪の先端の白い部分は1~2mm残すように意識し、削り過ぎないよう意識してください。